こんにちは! 国立院の伊東です!
夏のニュースなどで高齢者の脱水症の話はよく耳にしますが、子供も油断してはいけません!
運動会の開会式などで倒れたりする話もたまに聞きますよね。
今日は高齢者と子供が脱水症になりやすい理由をお話します。
子どもは脱水症になりやすいのですが、その理由は大きく5つあります。
新生児期から小児期は体重に占める体液の割合が70~80%に達します。体液は細胞内液と細胞外液にわけられますが、小児は細胞外液が多いという特徴があります。通常、体液の喪失は細胞外液から始まるため、小児は脱水症になりやすいのです。
発汗以外に呼気や皮膚などから知らないうちに失われる水分を不感蒸泄と呼びます。不感蒸泄は、大人では体重1kgあたり15ml程度ですが、新生児や乳児では体重1kgあたり15~25ml程度にもなります。失われる水分が多いので、それに見合う水分を補わないと脱水症にかかりやすくなります。
子どもの腎臓の機能はまだ十分に発達していません。体液の喪失を防ぐためには、腎臓で水分や電解質を再吸収する必要がありますが、腎機能が未発達だと水分や電解質が失われて脱水症に陥りやすくなります。
新生児や乳児は、喉が渇いても自らの意志で水分や電解質の補給を行うことが難しく、脱水症に対する予備能力も低いため、保護者が気づくのが遅れると容易に脱水症になります。
小児は成人と比べて水分の出入りが大きいのが特徴。成人では1日に細胞外液の7分の1程度が入れ替わりますが、小児ではおよそ2分の1にも達します。そのため、食事量が減ったり、下痢や嘔吐を起こしたりすると脱水症になりやすいのです。
高齢者が脱水症になりやすい7つの理由
高齢者は脱水症になりやすいのですが、その理由は大きく7つあります。
加齢と活動量の低下により、高齢者では筋肉量が低下しています。筋肉はカラダでもっとも多くの体液を含んでいる場所。筋肉量の減少は体液の減少に直結し、脱水症のリスクを高めてしまいます。
脳の視床下部という場所には、喉の渇きを感じる「口渇中枢」があります。加齢とともに口渇中枢の機能が下がり、体液が減少しても喉の渇きを自覚しにくくなります。「喉が渇いていない」のではなく、「渇いているのがわからない」から、水分摂取が遅れがちになってしまうのです。
体液の喪失を防ぐには、腎臓で水分や電解質を再吸収する必要があります。動脈硬化やホルモン環境の変化に伴い、加齢とともに腎機能が低下するため、水分や電解質が失われて脱水症のリスクが高まります。
飲み物だけではなく、食べ物からも1日1,000mlほどの水分と電解質を摂取しています。加齢で食が細くなったり、食べ物を飲み込む「嚥下機能」が低下したりすると、全体的な食事量が減り、水分と電解質が不足しやすくなります。高齢者の場合、精神的なストレスでも食欲が低下しやすいため、要注意です。
体液を維持するホルモンの一つに、抗利尿ホルモン(ADH)があります。抗利尿ホルモンは腎臓で水分と電解質の再吸収を促しますが、加齢とともに抗利尿ホルモンに対する腎臓の反応がダウンします。すると薄い尿がたくさん出るようになりますが、高齢者本人が夜間などに頻繁にトイレに行くことを嫌がったり、介護者に気を使ったりした結果、水分摂取を制限すると脱水症に陥りやすくなります。
加齢とともに高血圧や心不全に罹患している人の割合が高くなります。高血圧や心不全の治療薬は、血圧を下げ、心臓の負担を減らすために、尿を増やす利尿効果を持つものがあります。これらの治療薬を使用すると尿の量が増え、体液を失いやすくなります。
食事量が減少しやすい高齢者には、不足したエネルギーを補うために経腸栄養剤などを用いるケースが多くあります。経腸栄養剤は体液よりも濃度が濃い(浸透圧が高い)ので、体液の濃度を保つために相対的な水分不足が起こります。
フィットという名前には、「フィットネス」・「フィットする」という2つの思いが込められています。
「フィットネス」とは運動や健康という意味があり、私たちは人の身体の持っている可能性を引き出し、健康になっていただくことで、その人の人生をより良いものにしていきたいと考えています。
「フィットする」というのは、ぴったりとよく合うというような意味があり、その人に本当に必要な治療を提供したいという私たちの気持ちを表しています。